トップ
JAいるま野の
カントリーエレベーター
おいしい米づくりを目指して
穀物を乾燥調製する大規模施設、その名も「カントリーエレベーター」。
水田地帯にそびえ立つひときわ大きな建物を、
皆さんも一度は目にしたことがあると思います。
今月号の特集では、この「カントリーエレベーター」を紹介します。
いよいよ始まる新米の季節に合わせて、
JAいるま野が誇る大規模施設を覗いてみましょう。
カントリーエレベーターの役割
カントリーエレベーター(以下、CE)は米や麦などの共同乾燥調製施設で、集荷から乾燥、精選、もみすり、出荷までを一貫して行っています。ライスセンターと呼ばれる比較的規模の小さい施設に比べると、規模が大きく処理能力が高いのが特徴です。
米づくりには、年間を通じてさまざまな工程があります。かつては、はざ掛け(=刈り取った稲を逆さにして、天日干しで乾燥させること)と呼ばれる方法で自然乾燥させるなど、収穫後の作業にも多くの時間と手間を要し、生産者にとっては大きな負担となっていました。こうした中、CEが稼働を始めたことで一連の作業の機械化が実現。生産者の作業負担は大幅に軽減され、品質の均一化にもつながるようになったのです。
また、JAいるま野のCEでは、サイロと呼ばれる貯蔵設備を備えています。もみの状態で貯蔵することが可能で、毎日必要な分だけをもみすりし玄米にして出荷しています。サイロには、品質低下を防ぎ鮮度を高いレベルで保つため、「サイロ冷却装置」を設置。そして、この「サイロ冷却装置」こそが、JAいるま野のおいしい米づくりの肝と言えるものなのです。
サイロ冷却装置が生み出す
「いるま野鮮度米」
全国のJAのうち、大規模産地のJAを中心に導入している「サイロ冷却装置」。2012年(平成24年)には県内のJAで初めて導入し、現在までに管内全3カ所のCEに設置しています。
同装置は冷却と火力、双方の特徴を生かした乾燥調製を行うことができるもので、冷風を当てて仕上げることで自然乾燥に近い状態での貯蔵を実現。鮮度維持も期待できることから、良質な米を通年で出荷できるようになりました。
そこで、JAいるま野では「採れたての新鮮なお米を、いつでも皆さまの食卓へ届けたい」との想いから、「いるま野鮮度米」と名付けて販売。15年(平成27年)には商標登録を済ませ、パッケージにはロゴとともにCEの画像をプリントしてPRしています。(ページ下参照)
CEでは「サイロ冷却装置」の導入後、集荷量や買い取り量は年々増加。利用率も上昇しています。JAいるま野では、引き続き消費拡大に向けた取り組みを積極的に進め、CEから県内外への出庫販売をこれまで以上に強化してまいります。
カントリーエレベーター
荷受けスケジュール
米 | 荷受け期間 |
---|---|
五百川 | 8月上旬 ~ 8月中旬 |
コシヒカリ | 8月下旬 ~ 9月下旬 |
彩のきずな | 8月下旬 ~10月上旬 |
彩のかがやき | 9月下旬 ~10月上旬 |
むさしの26号 (川越・坂戸CEのみ) |
9月下旬 ~10月上旬 |
麦 | 荷受け期間 |
---|---|
すずかぜ | 5月下旬 |
さとのそら | 6月上旬 ~ 6月下旬 |
ハナマンテン | 6月上旬 ~ 6月下旬 |
※荷受け期間は、利用者の会議で話し合いながら決定します。
カントリーエレベーター
その名の由来とは…
精選されたもみをサイロ内に貯蔵する際、もみを運ぶ昇降機が人を乗せるエレベーターに見えることから、その名が付けられたとされています。(諸説あり)
カントリーエレベーターの概要
川越カントリーエレベーター
- 住所:川越市北田島634-1
- 施行:1990年(平成2年)
- 荷受けホッパー:2系4ホッパー
- 本サイロ:360トン×10
東部カントリーエレベーター
- 住所:富士見市上南畑2904-1
- 施行:1987年(昭和62年)
- 荷受けホッパー:1系2ホッパー
- 本サイロ:250トン×6
坂戸カントリーエレベーター
- 住所:坂戸市赤尾2071
- 施行:1989年(平成元年)
- 荷受けホッパー:2系4ホッパー
- 本サイロ:250トン×8
お問い合わせ先
(受付時間/平日8:30~17:00)
JAカントリーエレベーターの作業工程
JAカントリーエレベーターの
作業工程
1荷受け
2一時貯留ビン
3乾燥
乾燥工程は、作業工程の中で特に重要な工程です。もみに含まれる水分量によって米の品質が大きく変わってしまうため、経験豊富な職員が何度も確認しながら最適な状態まで乾燥させます。
4精選
5貯蔵
6もみすり
7粒選別
8出荷
1荷受け
生産者からコンバインなどで刈り取った米(もみ)を、ホッパーに搬入します。搬入した米は、粗選機で米と
2一時貯留ビン
生もみを一時貯留する通風方式の貯留ビンです。貯蔵ビンに設置した送風機で換気します。
3乾燥
荷受けしたもみに含まれている水分量を15%まで乾燥させるため、乾燥機に設置しているバーナーの温風でムラのない乾燥を行います。
乾燥工程は、作業工程の中で特に重要な工程です。もみに含まれる水分量によって米の品質が大きく変わってしまうため、経験豊富な職員が何度も確認しながら最適な状態まで乾燥させます。
4精選
乾燥させたもみは、風選機で
5貯蔵
精選されたもみは、出荷まで温度管理などを徹底し、品質を保ちながらサイロ内に貯蔵します。
6もみすり
玄米にするため、もみすり機でもみがらを取ります。機械の中には違う回転数で回っているゴムロールが2つあり、擦り合わされてもみがらが取れるようになっています。
7粒選別
玄米を粒選別機で一定の大きさに選別していきます。ふるいにかけ、残った粒が製品として出荷されます。小さい粒は、せんべいや味噌などに加工されます。
8出荷
精選された玄米は、計量機を通じてフレキシブルコンテナバッグや紙袋で出荷します。
操作室
荷受けから出荷までに使用するすべての機械を制御している操作盤。荷受けが始まると24時間体制で乾燥や精選などを行っています。
もみがらの活用
CEでは、大量のもみがらが発生します。もみがらは土壌改善が期待できるため、生産者にお渡しし有効活用していただいています。詳しくは、各CEへお問い合わせください。
販売推進課 課長
北田 康順
JAカントリーエレベーターでは、主食用米として「彩のきずな」「コシヒカリ」「彩のかがやき」「
JA管内では良質な米づくりを目指して、平成26年産より温暖化に適した「彩のきずな」の生産を始め、平成29年産(県東)と令和2年産(県西)の食味ランキングで「特A」を獲得しました。また、「五百川」は、管内で生産された新米をいち早く消費者にお届けしようと、令和元年産より生産しています。
今後もJAでは、生産者の皆さまが丹精込めて育てたお米を丁寧な作業と品質管理を徹底し、良質な状態で保管できる施設運営に努めてまいります。
JAいるま野の各カントリーエレベーターで乾燥調製された玄米は、JAの精米センターなどで精米を行い、直売所などを通じて皆さまの食卓へ届けられます。
皆さまもぜひ、「いるま野鮮度米」をご賞味ください。