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JAいるま野管内の
花卉かき農家

西川 敦さん

西川 敦さん(47歳)
川越市北田島

キンギョソウ
トルコキキョウ

増島 安繁さん(79歳)
狭山市下奥富

ユーカリ
パンパスグラス

増島 安繁さん
梅原 浩明さん

梅原 浩明さん(61歳)
川越市北田島

ラナンキュラス
アネモネ
パンジー など


西川さんとキンギョソウ西川敦さん

切り花栽培14年。
これからも良質な花を届けたい

生産者同士で切磋琢磨
市場も認めるキンギョソウ

6連棟のハウスを覗くと、キンギョソウの生育を丁寧に確認する西川敦さんの姿があります。サラリーマンだった敦さんは、父の後を継ごうと14年前に就農しました。現在は「JAいるま野川越市切り花出荷組合『 芳華 ほうか 』」に所属。8人の生産者で協力し合いながら、品質の向上に努めています。6月に作付け会議を行い1年間の栽培スケジュールを計画し、収穫前の10月には各ハウスを巡回し生育状況を確認するなど、生産者同士の横の繋がりを大切にしています。
「生産者同士切磋琢磨しながら、"バタフライ"と呼ばれる品種を出荷している。『産地は川越』と言われるほど、市場からも高い評価を得ている」と自信を見せます。

規格サイズに揃ったキンギョソウ。出荷を前に笑顔を見せます。

植物は生き物 毎日の観察は欠かさない

12月下旬、敦さんはキンギョソウの出荷作業で大忙し。ハウス内には、キレイに咲き誇る花がズラリと並んでいます。栽培管理のポイントを伺うと「温度と湿度の管理が最も重要。この他、脇芽の整理もこまめに行うとともに、一株一株をネットで仕切り茎を曲げずに生育させる必要があるなど管理は大変」と苦労は絶えないようです。
また、「植物は生き物。放っておけず、毎日観察している。やはり手を掛けた分、美しく仕上がるから」と花卉農家ならではの想いも話します。
今後について「10年後も変わらず、良質な花を出荷していきたい」と意気込む敦さん。敦さんが育てた色鮮やかなキンギョソウで、花のある日常を送ってみてはいかがでしょうか。

脇芽の整理作業。トルコキキョウはこの他、摘蕾てきらいなどの管理も行い出荷に備えます。

 

バタフライ品種のキンギョソウ。花びらが大きく上下左右に開くので、ひと際華やかです。


増島安繁さん増島安繁さん

栽培歴28年。
ユーカリ栽培の第一人者

培難のユーカリ
年間約1万1000本を出荷

コアラの餌として知られるユーカリ。最近では、観葉植物としての人気が高まっています。狭山共販センターでは「JAいるま野狭山花き生産部会」に所属する5人が出荷。その中の1人、増島安繁さんは平成5年から出荷を続けています。栽培面積はおよそ1ヘクタール。昨年度は、約1万1000本を出荷しました。
「ユーカリは暑さに強いが、乾燥した気候を好むため栽培はとても難しい」と話す安繁さん。今年度は夏場の長雨と低温の影響で、多くの木が枯れてしまったとか。それでもユーカリの持つ生命力の強さと安繁さんの徹底した管理のかいもあり、今年度も青々としたユーカリを数多く出荷しています。

出荷作業は、奥様の八重さんと一緒に行います。これぞ、阿吽あうん の呼吸です!

徹底した栽培管理とユーカリ栽培のこれから

ユーカリには数多くの品種があり、その数は500以上とも言われています。安繁さんが栽培するのは「マルハユーカリ」や「グニー」、「銀世界」など主に観葉植物として利用されるものです。
ユーカリの栽培管理は、すべての枝を切り落とすことから始まります。いわゆる"坊主 剪定 せんてい "することで、新芽の成長を促します。その後、少しだけ芽が出たら殺菌剤で消毒。8月くらいまでを目途に、月に2~3回のペースで消毒を続けます。安繁さんは「しっかりとした剪定と消毒のタイミングがポイント」と話します。そして、葉が大きくなり青々と茂ってきた頃、いよいよ出荷です。作業は、11月から翌春まで続きます。
「取り組む人が少なく、今後が心配。ただ、需要は多いので出来る限り続けていきたい」と意欲を示す安繁さん。目立たずもしっかりとした異彩を放つユーカリとともに、安繁さんもまたユーカリ栽培の"第一人者"として輝き続け、私たちの生活に彩りを与えてくれることでしょう。

樹齢28年。これまで安繁さんとともに歩んできました。感慨もひとしおです。


梅原浩明さん梅原浩明さん

年間50品目以上の鉢物を栽培する
ベテラン花卉農家

水の管理が肝心!花々に愛情をたっぷりと

寒さが増す12月下旬の川越市北田島。ハウス内にはラナンキュラスやアネモネ、パンジーなどがすくすくと育っています。「花は水の管理が最も肝心。花ごとに水やりのタイミングが全く違う」と話すのは、梅原浩明さんです。就農以来30年以上もの間、花卉栽培に従事し、現在は年間約50品目以上もの鉢物を手掛けています。長年培ってきたその目で、花の生育を一つ一つ丁寧に見極めていきます。
「以前、病気や虫が原因で育てていた花が全滅したこともあった。それ以来、肥料の調整を学ぶなど『やるしかない!』と自分に言い聞かせながら、常に前向きな姿勢で取り組んできた。理想の花に育ったときは、この上ない喜びを感じる」。
浩明さんの想いがたくさん詰まった花々は、1月から2月にかけて出荷の最盛期を迎えます。

順調な生育を見せるラナンキュラス。出荷までもうすぐです。

東京五輪に合わせ花を植栽
ますます膨らむ今後の夢

「JAいるま野鉢物部会」の部会長を務める浩明さん。自らの栽培に加え、私たちの生活に彩りを与えてくれる活動にも取り組みます。
昨夏、霞ヶ関CCで行われた東京五輪のゴルフ競技。会場の最寄り駅となったJR川越線「笠幡駅」の他、「川越駅」にも部会員が育てたニチニチソウやジニアが駅前ロータリーなどに植えられ、地元開催に花を添えました。「私たちが育てた花で街並みが彩られ、多くの人の心を癒すことが出来て嬉しい」と笑顔を見せます。
今後は「子どもたちが花に興味を持ち自ら栽培してもらうことで、生命の大切さを伝えていきたい」と意気込みます。夢は自ら育てた花の蕾のように、ますます膨らんでいきます。

約100色ものパンジーを栽培。長男の雅樹さんの発案で、SNSでの販売にも力を入れています。